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03/27/2005

DVD「ナイト・オブ・ザ・リビングデット 死霊創世記」――リメイク

ほいで、2本目。
DVD「ナイト・オブ・ザ・リビングデット 死霊創世記」です^^

いえ、何で今更1990年のザビーニ監督リメイク版(元は、1968年ロメロ監督「ナイト・オブ・ザ・リビングデット」)を見ようと思ったかというと、本「別冊宝島457 もっと知りたい ホラーの愉しみ!」を読んだためです^^

それぞれの概略は、リンク先で。

本「ホラーの愉しみ!」はホラー小説・ホラー映画を論考の材料として「吸血鬼」「ゾンビ」等を考察した評論集です。
また たまたま図書館で借りてきて、私が漫然と読んだり見てたホラー映画・小説にある種の鑑賞基準っていうか、鑑賞の上でのひとつの”たたき台”をもらったというか、私なんかは「ふむふむ^^」と感心しながら読みました。

その「ゾンビ」考察の章で、サビーニ監督のリメイクにもちょっと触れてて、興味が出てきて借りてきました。

また、そんなに意図したわけじゃないんですが、借りたDVD3本とも、ここに書こうとしたとき、私には、原作とその映画化、元の映画とリメイク版について考えさせられる作品だったんで、前回・今回・次回のエントリの題名に「――映画・TVとその原作」「――リメイク」やら付け足してます。

見ての感想は、リメイク作品としていい出来だと、私は思いましたし、これからどちらかでも見てみようと思う方には、私はですが、サビーニ版リメイクの方をお薦めしておきます。
(ホラーが苦手な方には、勿論両方お薦めしませんが^^)

何でそう思ったのかは……

以下、力いっぱい「ネタばれモード」で書きます。
ロメロ版・サビーニ版を未見な方は、ご遠慮ください。












私的には、違いはやっぱり――

ロメロ版:
主人公は、黒人男性 であり
主人公の理不尽なまでのあっけない死と、社会のゾンビへの対応、ひいてはゾンビ自体 は黒人・被差別者への差別の暗喩

ザビーニ版:
主人公は、冒頭で襲われた女性 であり
ゾンビ化してしまう(元の作品の主人公)黒人男性の完全な死^^と、社会のゾンビへの対応、ひいてはゾンビ自体 は被差別者というか一旦差別すると徹底的な扱いをするということへの暗喩

――と思えました。

ロメロ版ではかなり黒人差別の暗喩に力点が置かれていて、これが、ロメロ版をホラー映画の古典として評価する大きなポイントであることは、「ホラーの愉しみ!」の中で、公開された同年にキング牧師暗殺があったこと等で考察されています。黒人主人公のラスト、ゾンビと間違えられての死というが、まさにその理不尽さを表してます。

ロメロ版を見たのは、かなり前ですが、勿論ラストが黒人差別の暗喩であることは感じましたが、このリメイクを見て、逆に「自分は、あんまり黒人差別自体にはそれほどインパクトを受けてなかったんだな」とあらためて気がつきました。
ロメロ版も、好きな作品です。
しかし、私が気にいってたのは「社会の、一旦差別されたものへの容赦ない仕打ちへの嫌悪感」を表現した部分だったようです。

サビーニ版では、主人公が女性になり、性格的に強くなったことが強調されてたように思いますし、まあ映画「エイリアン」のシガニー・ウェバーのような、実際強いヒロインって面がリメイク版の売りでもあったかもしれません。
しかし、ああいう主人公の方が、いまやそんな珍しくない「強いヒロイン」って側面以上に、「社会の、一旦差別されたものへの容赦ない仕打ちへの嫌悪感」をより強調するために効果的であり、主人公が一人家から脱出する中、人形を抱えるゾンビに憤り叫ぶエピソード、家で生き残った人への仕打ちなどのエピソードを加え、私がロメロ版で高く評価していた部分を全面に出したラストには「確かにリメイクされる意義がめいっぱいあったな」と、サビーニに拍手しました。

「アメリカの、テロ対策に協力しない国は、テロ支援国扱い?」「チェチェンのあれは、テロ? 独立運動?」などの昨今の情勢を、まあ私もニュースでしか知らないんで、あれこれいうつもりはありませんが、黒人差別に限定した見方がされてしまいかねないロメロ版より、サビーニ版の方がテーマとして普遍性があるといえるかもしれません。

ロメロ版ゾンビ3部作最終章、映画「死霊のえじき」では、主にゾンビを研究する科学者に象徴される「理知的に”いっちゃってる”」ゆえのゾンビへの所業に、思わずゾンビに肩入れしたくなり、ラストに思わず拍手を送っちゃいたくなったりと、このシリーズはかなり露悪的ではありますが、一貫して人のココロの中の暗黒面を浮き彫りにしてゆきます。
まさに「社会の、一旦差別されたものへの容赦ない仕打ち」への”恐怖”映画として――

ああ、ロメロ版「ゾンビ」のリメイク版「ドーン・オブ・ザ・デッド」見ちゃおうかな?^^

もしかして、映画「死霊のえじき」もリメイクされるんかな?^^
(私は、見終わった後いいようもない圧倒的な無力感に襲われる、たびたび見る気はとても起きないけどインパクトが強烈な「死霊のえじき」が一番好き^^)


次はたぶん、DVD「イノセンス」――原作あり映画その2 の予定^^
PS.やっぱり「DVD「イノセンス」――原作あり映画その2」はやめておきます、うまくまとまらん^^

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